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We Love SOARING 2013


 今年はデジタル一眼レフに3600万画素機(D800E)が登場し、写真の内容を大きく変える状況が生まれました。手に入れてすぐ、中部日本航空連盟の飛騨エアパークにおける合宿に撮影に行き、ウエイブソアリングクラブのご協力を得て、G109Bで空撮しました。
 表紙にした槍ヶ岳を背景とした写真で驚きました。山頂に登山者がいるのは小さな画像でも分かります。じつは、そこに至る細い梯子が4本ありますが、100%画像にすると、それらの段数を数えるが可能でした。岩肌に溶け込んでいない。驚きです。
 階調の豊かさも特筆ものでしょう。雪山の斜面を背景に白いGFRP機が飛んでいる。そこにメリハリをつける、これは難しいことです。斜面の微妙な起伏を実に階調豊かに再現してくれました。
 PCのディスプレーの前でうなっていても、個人的な印象の域を出ません。最終成果品としての印刷物で、カメラが何を変えるのかに大きな関心がありました。このグライダー・カレンダーは撮影・編集・発行を自ら行いますから、印刷にかかわる各種の実験が可能です。過去10数年来、入稿時には印刷会社の製版技術者が仕事場に来てくれ、画像の微細な調整と検討を一緒に行います。いつも同じ人で、私の意図、好みやクセ、ディスプレーの発色差などを十分に把握して、その後の作業を進めてくれます。これは、普通にはない、贅沢な境遇です。
 そして2週間ほどで色校正が上がってきます。ここでも驚きました。印刷物というイメージが、ものによってはないのです。かなり薄くなっている。再校をとった画像は1点しかありませんでした。
 20〜30年前、この種の大判カレンダーを35mmフィルムから印刷することは本当に大変でした。粒子は出る、勝手に色は傾く。きちっと完成させられる印刷会社は、定評ある3社のみでした。目の前にある隔世の感がある印刷物は、我ながら感動ものでした。
 ちなみにD800Eによる画像は、13点のうち8点です。
 ぜひご覧下さい。心秘かに、航空関係カレンダーにベスト印刷賞というものがあれば、頂けるのではないかと思っています。

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サイズは340mm×450mm。表紙+各月1枚・計13枚の写真で構成しています。
料金は通常1冊2,200円(送料別)ですが、10部以上ご注文いただくと1部2,000円にディスカウントし、送料も無料でお送りします。

10部以下のご注文には、パッケージ料を付加した以下の送料が必要です
関東・信越・南東北・北陸・中部=840円
北東北(青森・秋田・岩手)・関西=940円
中国(岡山〜山口)=1,050円
四国=1,150円
北海道・九州=1,260円
沖縄=1,360円


代表者の名前(ふりがな)、郵便番号、住所、電話番号、購入冊数、宅配便での希望配達時間を忘れずに!





COVER Schempp-Hirth Duo Discus T / JA11YD
 山頂部に登山者2人。槍ヶ岳に接近するデュオディスカスT。中部日本航空連盟が飛騨エアパークで春の連休の合宿を始めて14年を経過した。いま、飛べる日は誰もが槍ヶ岳付近に飛んでいけるという。全体的な底上げに、経験を積み重ねることの成果が表れている。次には薬師岳に立山、劔か。黒部湖や称名滝を背景にした空撮を早くやりたいものだ。


1月 Hutter H-17 / OY-CJX
   ウォルフガングとウーリッヒのヒュッター兄弟が、オーストリア・アルプスの山岳滑翔をする目的で1934年に作った可愛い機体。グルナウ・ベイビーを小型化したような形態だが、山岳地の強い上昇気流があることを前提にスパンは10mに満たず、自重は搭乗者よりも軽い65kgでしかなかった。機名の17は狙った滑空比を表している。ヒュッター兄弟は本機の成功後シェンプ・ヒルトに入社し、同社もGo5の名称で小改造したものを製造した。
 さて、ウーリッヒにはもうひとつの功績がある。グライダーの空力的・構造的な特性を生かし、戦中から風力発電の研究を行ったのだ。戦後はグライダーよりも風力発電に傾注したように思われる。さて、ドイツには発電風車がいたるところにある。さすがに2022年までに原発を全廃すると決定できる国ならでは、である。原発事故を起こしたわが国でも、風力発電や太陽光発電への志向が強まっていくだろう。風力に関しては、まずはヒュッターに感謝。


2月 Glaser-Dirks DG-300 Club ELAN / JA2420
 最新の3600万画素機による撮影。こうした描写は、以前の機材で可能だったろうか。ここは笠ヶ岳につながる尾根だが、雪の白のシャドーからハイライトまでの階調の豊かさに、撮影者として新しい時代の到来を感じずにはいられなかった。撮影は4月下旬。2月の北アルプスの積雪は、こんな表情をしていない。それがちょっと申し訳ない。


3月 SZD Jezow PW-6U / JA60YG
 学生航空連盟の設立60周年を記念して導入された新機。機番も60周年・読売・学連。同クラブでは、PW-6U→PW-5D→ディスカスbと技量に応じたステップアップが図られる。戦後航空再開から数年後の昭和30年頃、日本航空協会がドイツから輸入したウィンチが活用されず各地で放置状態だったものを、操作技術を研究修得した読売学連が地方の滑空団体に出向き指導し、ウィンチ曳航の普及に貢献したことは思い起こされていい。


4月 ELAN / DG DG-505 Orion / JA505G
 穂高から槍は、北アルプスが最も華やかな山容を見せるエリアだろう。これは涸沢岳南西面。背後に北穂高岳があり隠れて見えないが、その先に槍ヶ岳に続く尾根がある。右手奥は常念岳。20mスパンのDG-505は、外翼部を取り外し17.2mとすると、フル・エアロバティックが可能となっている。


5月 PZL Bielsko SZD 50-3 Puchacz / JA2523
 元青山学院大学、現在北見工業大学が練習機とするプハッチ。学生たちは、世界記録を次々に樹立した元グロッセの使用機、ASH25でもよく練習している。豪華な練習環境。早く資格を取得し、北海道を縦横無尽に飛び回ってほしいものだ。


6月 Schleicher ASK21 / JA2326
 美瑛から角田の仙台グライダークラブに移ってきたASK21。震災からの復興を祈念して、元気な画にしたいと、土手すれすれにダイブして高速降下し、急旋回をしてもらった。3,600万画素機+500mmレンズでの撮影だが、光がまわっていれば計器の指示も読めそうだ。


7月 Pilatus B4 PC11AF / JA2214
 背面飛行するピラタス。遠くに北見市街地。操縦する加藤隆士さんが昔、曲技飛行の練習をするオーストリアに取材に行ったことがある。使用機はやはりピラタスだった。カイザー山の近く、さして高くない高度で離脱すると、サーマリングして7,000ftほどに上昇、そこからアクロ課目を次々にこなして降りてきて、再びサーマリングで上昇、再びアクロ。飽きることなく、降りることなく、その繰り返しを続けるのだ。なるほど上手くなるものだと感心した。曲技にも上昇気流は有効なこともあるわけだ。


8月 Schempp-Hirth Discus 2T / JA02MY
 高度あり、遠景となっては分かりづらいが、稲刈り直前の田圃の緑の見事に美しい日だった。背景に牛久沼。数km離れた場所では降雨にも遭ったが、黒い雲はその予兆か。これはサステナー装備のディスカス2。02は2機目!を意味する。 安定性の高かったディスカスbに比べ、操縦性はシャープで軽やかだという。性能面の確認はこれからの楽しみ。



9月 Slingsby T.21B / BGA-1215
 イギリスは伝統的にサイドバイサイド機がお好みのようだ。グルナウ・ベイビーの拡大版といえるオープン・コクピット機で、主翼以後の胴体構造は鋼管ならぬ木製トラス構造となっている。スパンは16.46m。第2次大戦初期に英空軍はATCという組織を作り、正式入隊前の若い学生に飛行経験を積ませる機会を与えた。1947年にATCの練習機として採用されたのが本機。ATCは80年代後半までこの機種を使い続け、後継機としてASK21とグローブG103を、そしてその後100機のG109Bを採用した。


10月 Grob G103C Twin III SL / JA2554
 自力発航型モーターグライダーとして、グローブはツイン3に非常にメカニカルな機構を組み込んだ。それが裏目に出たのか、動力装置関係のトラブルが多いようだ。関西エアロでは一大決心をし、動力装置を取り外して純グライダーとして運用中。大利根飛行場で試験飛行中に撮影。28mm広角レンズによる描写のため、右翼が左翼の2倍近く長く見える。


11月 EON Olympia U/ OY-XEF
 1940年オリンピック滑空競技統一機種DFSマイゼは、戦後フランス(ノール2000)、オランダ、スイス、そして再びドイツ(オリンピア・マイゼ51)でも製造されたが、1947年以降英国ではエリオッツ・オブ・ニューベリーが150機の量産をしており、戦後の英国のクラブの中軸機種となり、比較的多くが現在も飛んでいる。Ubは主車輪装備、プラスチック吹き成形のキャノピーとなっている。


12月 Schempp-Hirth Discus b / JA97ND
 ディスカスは個人機クラブ機ともに数が多く、カレンダー掲載の競争率が高い。そんな場合は写真内容で決める。妻沼の河川敷滑走路もなかなか背景に恵まれないから、思い切って低速シャッターで背景を流した。しかし機体は止めなくちゃならない。それがうまくいった一例。

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