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We Love SOARING 2011


1988年版から制作を始めたグライダー・カレンダーですが、最近はデジタル写真を使っています。特に最近は、カメラ自体の進歩もさることながら、現像ソフトの能力向上が著しいように思います。
空が背景であったり、空が対象であったりする写真では、スタジオ内での撮影と異なり、例えば晴れていても、視程がいまいちだったり、逆転層が強かったりして、なかなか完璧な光に出逢うことはありません。
でも、現像ソフトの進化によって、「こうであったらなぁ」というところへ、かなり近づけることになりました。大昔の暗室での大伸ばしプリント作業に似たことをパソコンで行います。部分処理などできることが大変助かっています。
しかし事後処理をしすぎると、写真の「真」はどこにあるんだい、ということになりかねません。それについては、「作家の心の内にあるんだよ」と答えることにしています。どんな作品も、撮れちゃったではなく、「こうあって然るべき」を思い描くことが起点だと思うからです。
「できる・できない」「する・しない」の峻別は、VFRの鉄則のように思いますが、同じようなことを写真処理でも感じるのです。

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サイズは340mm×450mm。表紙+各月1枚・計13枚の写真で構成しています。
料金は通常1冊2,200円(送料別)ですが、10部以上ご注文いただくと1部2,000円にディスカウントし、送料も無料でお送りします。

10部以下のご注文には、パッケージ料を付加した以下の送料が必要です
関東・信越・南東北・北陸・中部=840円
北東北(青森・秋田・岩手)・関西=940円
中国(岡山〜山口)=1,050円
四国=1,150円
北海道・九州=1,260円
沖縄=1,360円


代表者の名前(ふりがな)、郵便番号、住所、電話番号、購入冊数、宅配便での希望配達時間を忘れずに!


また、日本滑空協会を通じて10部以上ご注文があった場合は、売上の一部を世界選手権派遣支援金として寄付しています。ぜひクラブでおとりまとめいただき、ご注文ください。

滑空協会を通じて注文される場合は、代表者の名前(ふりがな)、郵便番号、住所、電話番号、購入冊数、宅配便での希望配達時間を明記し、ハガキかFAX、E-mailでご注文ください。

〒105-0004 東京都港区新橋1-18-1 航空会館内
 日本滑空協会  FAX:03-3519-8075番 e-mail:jsa@japan-soaring.org




表紙 Christen Industries A-1 Husky / JA89BB+Schleicher ASK13 / JA2255
 向かってくる機影には画的パワーがある。滑走路端で超望遠レンズを構え、頭上通過してもらう撮影にはリスクがあるから、かかわるパイロットの高い技量と意思の一致が必要だ。この大利根の曳航機の特徴は、低騒音4ブレード・プロペラ。航空局との修理改造検査の交渉はかなりの難関だったらしいが、騒音低減は飛行場の存続にもかかわる社会的な意義があることだから、そこに導く行政の積極性がほしいものだ。プロペラの回転感が写る比較的遅いシャッターを切り、パイロットの顔が隠れ、曳航索が完全に画面内に納まったこの1コマは、黒・黄・赤・白とメリハリついた配色も気に入っている。


1月 Schleicher ASG29E / JA22KJ
 日本の滑空界の現況を伝えるには、導入された最新鋭機が欠かせない。型式上はASW27-18で、ASW27の18mバージョンだが、開発者 Michael GreinerにちなみメーカーはASG29としている。新規耐空検査後2気筒18hpエンジンが搭載されたが、自重280kgと軽い。翼面積を 10.5m2と小さくしても、アスペクト比を31と大きくとり、重量軽減と高性能を両立させている。エルロンがコード小さく長スパンであること、翼の分割(15m化も可)がスパン中程となっていることも特徴的だ。


2月 PZL Bielsko SZD-55-1 / JA2525
 アサヒSCで上級者向けクラブ機として活躍するSZD-55。関宿上空、かなり逆光で比較的画像補正の難しい画となったが、外翼部前縁が楕円の弧を描く主翼、そしてその上面の曲面具合、特徴を描くには、こうしたアングルと光の具合がいい。本機がディスカスのライバルとして登場したのは1988年。このグライダー・カレンダーの登場と同じ年月を経ている。ついでながら、ポーランドがSZD-55の次に登場させた革新的なフラップ付き15mクラス機SZD-56、近年改良型Diana-2となって国際舞台に再登場し、好成績を収めていることにも注目したい。。


3月 Schleicher ASK21 / JA05KH
 夕刻の妻沼、まろやかな光に包まれて降りてきたASK21。この学連のワークホースを実効1000mmものレンズを使い手持ちで撮ったが、ブレもなくフォーカスは来るところに来ていて、われながら驚いた。長玉の誇張で水平尾翼など長く写りすぎるきらいはあるが、風防に微妙に跳ねる光やシャドーに写り込む路面など、気に入っている。


4月 Schempp-Hirth Duo Discus T / JA11YD
南 大型連休が近くなると、飛騨に行きたくなる。北アルプスでは、非日常的なスケール感がある風景を生かした機体空撮が楽しめる。右手前方に乗鞍山頂。雪の山肌の再現も予想以上に階調豊かに仕上がった。次に機会あれば、薬師、立山、劔といった、この先にある山々で撮ってみたい。そこに行くためのブレークスルーは何だろう。大きな壁だが、穂高・槍から黒部源流の先に出られれば可能性はあるし、実現は時間の問題のような気がする。飛弾で飛び始めた頃、誰もが乗鞍往復をするような現在の実績は、ある種の夢であったわけだし。


5月 Schempp-Hirth Discus CS / JA219F
 飛弾から大利根への帰り道であった。いつものように霧ヶ峰FSをモニターすると、飛んでいる機体がある。「撮りましょう!」と呼んで、ジョインナップ。速度を合わせるために、ブレーキ代わりにややピッチアップしているが、アビームに並んでくれた。まずは、斜め後ろからの撮影とならないことが嬉しい。しかも近い。ここで動じなければ、近さはひとつの存在感となる。背後に八ヶ岳。


6月 Scheibe SF-25B Falke / JA20GM
 TP11「Lawyer Shin's TOY HOUSE」でご紹介した25Bファルケが、プロから技術を盗む修理職人ストーカーと化したオーナーの、極めて趣味的なレストアを終えて飛んでいる。ただ、分解組立がやっかいな機体だけに、梅雨や台風の河川敷増水可能性期は畳んで「夢の格納庫」に入れる条件だ。ところで動力滑空機の乗員資格は、曳航されるフックの有無で類別される。本機のナリは誰が見ても飛行機だが、25Bには本来被曳航フックが装備されており、ウィンチ曳航で離陸が可能だ。標高が高く短い滑走路の滑空場など、着陸できても自力では離陸できない場所がある。そうしたとき、この装備が助けになる。6月の関東平野の緑、背景に小林牧場、そして千葉ニュータウン。


7月 Schleicher ASH25 / JA25HW
 歴史ある大物、世界記録を次々に樹立したHans Werner Grosseその人が使っていた機体。しかし25mスパンもあるだけに、機体を組むのもままならない。「で、いつなら組める?」「8月のサマトレ期間なら人もいるし」、というわけで北見へ。自家用機ではなく、所用のあった千歳から初めてレンタカーで。自動車道無料化社会実験区間の長いことをいいことに走り続けたら、紋別に向かっちゃう。北海道はあちこちで雨が降る怪しげな天候だったが撮影時は幸いよい天気。空撮はH-36ディモナで行ったが、小窓の位置に G109Bのとは数cmの差があって、結構前からのアングルが撮れる。雲のあるところで主翼が画面の対角線を指すよう、左旋回を維持してもらった。


8月 Grob G102 Std. Astir III / JA2296
 次の世代の有望パイロットを育成しようと、夏の滝川でYouth Glider Campが行われている。この日、苫小牧・千歳方面から入る風と、留萌・暑寒別方面から入る風がちょうど滝川上空でぶつかり、なかなか感動的な雲のストリートができていた。きっと、どのグライダー・パイロットも小躍りしそうな感じ。が撮影者にとっては雲はやたらと立派で濃く、機影はもの凄いシャドー。地表に投影された雲の陰も、何やら尋常ではない。翻って滝川市街や背景の雲は夏そのものでギラギラと輝いている。この明暗差、画像補正の難しさったらない。それをやりとげたときの達成感もひとしおだ。



9月 Grob G102 Club Astir IIIb / JA2319
 競技機ならばいざ知らず、練習機となるとベースを離れることも少なく、関西のそれは出かけない限り出会いが少ない。秋の木曽川滑空場、土手越えにみる養老山系が適度に雲をかぶっている。1/500と結構早いシャッターを切っているが、70mmと短いレンズで至近の撮影ゆえに角速度が大きい。背景に流れが出て、ウィンチの速度感も生まれた。個人的な趣味を言うと、ASK23よりClub IIIb の方が好みなんだけどなぁ。


10月 DSchleicher Ka6E / JA2097
 わが国に最初に入ったKa6Eの1機。登録番号をみても「最初の100機」に入るビンテージだ。今なお氏家で活躍中。Ka6CRからKa6Eに乗り換えると、とりわけ加速時など速度のノリが違うなぁと感じる。そんなことで感動していた昔が懐かしい。撮影では運良くブルーホールから午後の斜光が射し込んで、暗い背景に殊の外機体が輝き、嬉しい結果になった。


11月 Hagiwara H-32 + Tohoku Univ.H-24-TH Cumulus
 この2機、ともに世界に1機の存在だ。しかも垂直尾翼にせよキャノピーまわりにせよ、非常に面影が似ている。それも当然、ルーツは国産機メーカー萩原にある。Cumulusが関宿に居を移したことから、一緒に飛行会を行ったのだが、それは長年待った編隊飛行の空撮をするいい機会であった。H-32 は日本版K8を狙いつつもKa6の性能を得ようとした当時の意欲作。Cumulusは萩原が構想した後、東北大学航空部の当時の学生が細部設計を続け、自作して完成させ、耐空証明を取得し、さらには最近まで練習飛行にも耐えた複座機(TP03に関連記事掲載)。澄みきった関東平野、遠く男体山も見えている。


12月 Schleicher ASK13/JA2255
 カレンダーも画的物語とするならば、表紙の脇役に改めてスポットライトを当てるのも一興だ。クリスマスだし、この大利根の主力練習機はサンタクロース的衣装の機体だし。今回の撮影では若い頃、外国空軍の戦闘機に頻繁に同乗させてもらった時代を思い出した。つたない英語の代わりに、常に即座に撮りたい画のラフスケッチを描いたものだ。それがコミュニケーションの手段だった。プロはそれを見て自分の飛び方を組み立てる。そして同乗して離陸してしまえば、後は「前だ、上だ」と命ずる英語だから、微調整は何とでもなる。今回も画を描いた。思い描いたとおりにバンク深く写った。
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