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 (3)行かなかった奥尻

020628 Dep. Takikawa 09:28-09:59 Arr.Takikawa 0h31m
今日は、天候を見て奥尻に行こうと思った。全道曇りベースだが、檜山地方のみ晴れだったからだ。

しかし、空港の停留スポットはとっていないし、あそこは航空自衛隊の訓練空域内にあって、行くだけでも自衛隊とも調整しなければならない。

帰路は丘珠に降りる必要があって、それも調整しなければならない。丘珠はCABに電話すればいいのかと思ったら、管理者の陸自にも、本来は1週間前に書面で利用申請をせよ、とのことだ。

何年か前はそんな要求はなかった。今や、ハンコがなければ着陸できない飛行場の典型だ(実際、ハンコ持参で飛んできてくれと言われた)。

どいつもこいつも、管理する自分のことしか考えない。役人は、そんなに律儀に仕事をするんじゃないよ、と言いたい。サービス業に徹する民営化を、問答無用で推進して欲しいものだ。そうして、はじめて外国並になるのだ。
さらに、給油もせねばならなかった。

しかも前日、結構山岳に接して飛行したため、バグ(衝突した虫)が主翼前縁・機首に付着し、血の赤も交じって真っ黒となっている。あの甘い性能のG109Bですら、前縁の微細な乱流で性能低下が実感できるほどとなっている。これも洗い落とさねばならない。
早朝の離陸はとてもかなわなかった。

6時起床で離陸は9時半。空知の雲は不穏だ。行けども札幌まで1,000ftを維持できるかどうか。ついていないときは、本当についていない。風は全くのアゲインストで、しかも20ktは吹いている。60kt出るかどうか。しかも山がちな場所は雨かもしれない。

新篠津に至って、滑空場の細い舗装滑走路の上、800ftで、この先どうしようか考えた。

尾岱沼


尾岱沼打瀬網


摩周湖
ヘッドウィンド強く、調整の電話でクラクラさせられて(アマチュアの事故の遠因とならなければ幸いだ)、ろくに距離も測らなかったからだが、プランは2時間しか入っておらず、それは直行してようやくたどり着ける所要時間で、直行すれば、いくつも山があり、山があれば雨と見まごう雲があるに違いない。

滝川に戻ろうか、それともだいぶ早いが、10nm離れた丘珠に、降ろしてもらおうか。2回ほど旋回し、一切を精算する気になった。なんだか、やたらに馬鹿馬鹿しくなったせいだ。そこで、新千歳FSCに「や〜めた」とは言わなかったものの、「滝川に戻ります。理由はシカジカです」と言って、リターンした。

機体を再び滝川に預けた。昼過ぎ、新千歳空港に向かうJR特急の車中からは、誰だって飛べそうな空が見えたが、4時間前にそれを想定することは出来なかった。塀の上を歩き、思わぬ方向に落ちたら、やっぱり痛いだけじゃすまないのだ。

そもそも北海道の気象変化のパターンは、関東平野ベースのぼくには、ともかく難しい。

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