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特集「Wasserkuppe」
・Reiher(米田洋・編、瀬尾央・写真)
・Wasserkuppe1936 空のオリンピック
 ドイツ通信(菊池和夫)

私の好きな丘(小谷名保恵)
・博物館 Deutsches Segelflugmuseum (Jochen Ewald)
・ウルトラライトグライダー/ウルトラライト曳航 (瀬尾央)


欧州劇場 (瀬尾央)
euro/Lilienthal/VGC Rally/Musterle/Mr.DDR/Nida/LAK/Women's Championships/Bellanca/Consul C. Sugihara/豊かさと文化


こどもグライダー・LAK-16 (瀬尾央)

LAK-17A 15/18m (瀬尾央)

GPPA (瀬尾央)



長野の定常風
 伊那谷−カキノキの偏形としぶきよけ (浜田崇)
 実感し実証された長野の定常風 (万場泰雄)
 無形の情報の痛烈な有形化 (吉岡利典)

霧ケ峰の休日 (阪口晃敏)

山の、私の、Ka6 (土屋暢夫)

書き綴るKa6(TP編集部・編)
 ・名機Ka6CR、Ka6Eの思い出 (増谷一夫)
 ・Ka6CR(JA2252)の思い出 (山形公叙)
 ・Ka6はグライダーの「ハチロク」だ!! (小高功)
 ・Ka6・・・着陸 (末永里美)
 ・Ka6E (藤井毅)
 ・日本最初のKa6CR (冨山晋)
 ・模型もKa6 (安井博幸)
 ・Ka6CRでの怖いフライト (岡田泰三)

954.89km (市川博一)

Ely Soaring Camp 2001 (植田展生)

TURF SOARING SCHOOL (植田展生)

「違う空から」
−長い翼と丸い翼 (高本裕久)
−プライベートフィールド (永田“Cajun”恵嗣)

オーストラリア選手権優勝のご報告と御礼 (市川展)

2001年日本滑空選手権(澤田重城・編)

ハンドラダー/ウイングレット装備 リベレ飛ぶ (米田洋)

ASW28で闘ってみて (市川展)

中古のKa6Eを英国から買って考えたこと (種田淳)

PDA”と“GPS”の歴史と今後の展開(市川展)

JCCの今後と(社)日本滑空協会(大平雅大)

訓練空域の運用と、その実際(高田浩章)

グライダーと行政の接点(嶋田和人)

韓国滑空史年表補遺(河守鎮夫)

韓国のマイフレンズ その後

WAVE FIGHTER−野崎敏彦− 写真集「earth&wave」に寄せて(斉藤岳志)

Current Gliding World Records

第5回・第6回TPフライト・ノンフィクション大賞審査報告

読者サロンsquawk 1200
TP95/01〜TP01/07総索引
New Books Plus
SE0-SAN TALK/編集後記

特集「Wasserkuppe」

Reiher(米田洋・編、瀬尾央・写真)
戦前で最も高性能な量産グライダー、ライアー。1機も現存せず、完璧な製造図面も残っていない中、ワッサークッペのOldtimer Segelflug Clubが1997年から強度計算と併行しながら、新たに図面を描いて、レプリカ製作に取り組んできた。製作開始から約3年で完成。本格的な飛行試験は2001年に入ってから行われた。同年8月に行われた、TP取材のための空撮は、同機初の空撮であった。

Wasserkuppe1936 空のオリンピック
  ・・・ドイツ通信
(菊池和夫)
昭和12年発行、菊池和夫著「グライダー競技」から引用して掲載。ベルリン・オリンピックの年のレーン競技会を実況中継。戦前の日本の滑空啓蒙書は、何を伝えたか。

私の好きな丘(小谷名保恵)
博物館 Deutsches Segelflugmuseum (Jochen Ewald)
ウルトラライトグライダー/ウルトラライト曳航 (瀬尾央)
ワッサークッペ滑空学校滞在記、グライダー博物館、そしてウルトラライトグライダーとウルトラライト曳航。ワッサークッペには、今も何か新しい発見がある。


欧州劇場 (瀬尾央)

旅で出会った話をしたいと思う。今回の目的は、まずロジッテンを見に行くことだった。あの1920年代、勃興期のグライダー活動で、ワッサークッペと並んで注目すべき成果をあげたバルト海沿岸の砂丘である。

R.R.G(レーン・ロジッテン協会)という組織が、その当時の指導的役割を果たしたことは周知の事実だ。だがそれが今どこにあるのか、ぼくも知らなかったし、ぼくの周囲でも指摘できる人はいなかった。
 
どうやらリトアニアに端を発する、延長100kmに及ぶ壮大な「天橋立」の一角にあることは分かった。だがその天橋立も、その当時はドイツ(旧東プロイセン)ということは分かっても、現在ではリトアニアとロシアの飛び地とに分断されている。ロシアじゃなければいいが、という掛けに似た気分で向かうことにした。

またリトアニアでは第1回女子滑空選手権も行われる。その会場は、ドイツ機に匹敵する高性能新鋭機、LAK-17Aを生産する工場のある滑空場で行われる。世界初というのは何にしても興味深い。行くべきだろう。

このところ例年行くことを欠かさないヴィンテージ・グライダー・ラリーは、前座大会が旧東ドイツのスヴィッカウで行われる。本大会は、チェコのスブラスラビッセである。

いずれにせよ冷戦期、東西対立の最も緊張していた地域を歩くことになるわけだ。あのワッサークッペにしてからが、山頂の軍用れドームが象徴するように、東ドイツ国境まで10kmの距離しかない丘の上だった。

グライダーはドイツ生まれのドイツ育ちだ。直接的な原因は、第1次世界大戦後のベルサイユ条約で航空禁止令を受け入れたためであるが、でも、なぜドイツなのか。

ドイツを語るにせよ、ヨーロッパを語るにせよ、あまりにも相手は大きく、自信をもって答える能力は全くないが、グライダーを求めて現地を漂い、地図と歴史書籍を漂い、その両者を行き来するうちに、おぼろげながら見えてくるものがあるかもしれない。





こどもグライダー・LAK-16 (瀬尾央)
「夏は飛行場にキャンプにくるんだ。グライダーに乗るためだよ。毎日、夕方からがぼくらの出番機体を運ぶのも、設営も、するんだよ。大人は、ウインチおじさんが1人だけ。ほら、こうして索を切ったら、フリーフライトもするのさ。乗ってみる?」

世界女子滑空選手権が行われたリトアニアで見かけた小学生のグライダー活動。聞けば毎年、全国小学生滑空大会も開かれているとか。選手権に集まった外国の関係者の誰もが驚いたリトアニアのこどもグライダーをご紹介。

LAK-17A 15/18m (瀬尾央)
リトアニアは、飛ぶことにかけては、驚くほど “straightforward”な国だ。もとより滑空の歴史は深く、前首相は曲技パイロットだし、小学生も飛ぶ。そうした風土で生まれた15m/18mの最新鋭機はどこかが違うようだ。


GPPA (瀬尾央)

フランス・アンジェーに生まれた地域航空博物館・Musee Regional de l' Air は、行政による建設、ボランティアによる維持。そして世界有数のグライダーコレクションを誇っている。

「ぼくは航空博物館のコンセプトについて、昔からの持論がある。ふつう、博物館というと展示ホールしか思い浮かばないようだが、それが真っ当な航空博物館であるならば、展示ホール、ワークショップ、そして滑走路が欠かせない3要素としてある、ということなのだ。

博物館は機体の墓場であっては意味がない。博物館は修復実習やエアショーなどを行い、地域振興などにつながる社会的運動体の核になることが望ましい。

それを可能ならしめる要素を、基本設計の時点から内包しておかねばならないのだ。

ひとつの夢のような姿かと思っていたが、ここにはそれが具現化されている。羨ましいという言葉では言い尽くせない羨ましさがある」(本文より)


長野の定常風
 伊那谷−カキノキの偏形としぶきよけ (浜田崇)
 実感し実証された長野の定常風 (万場泰雄)
 無形の情報の痛烈な有形化 (吉岡利典)

中部山岳地帯から東北にかけて、これから本格化するであろうクロスカントリーエリアの外周を、江戸時代に実際に旅した松尾芭蕉に思いをはせ、「奥の細道」と同じルートを、何日かかけG109Bで実際に飛んでみた。

そのフライトの参考資料として集めた中に、昭和27年に出版された三澤勝衛著「風土産業」があり、冒頭の1枚の絵に釘付けになった。

三澤は長野県全域の局地風系を調べるために全県をくまなく歩き、カキノキの扁形方向を調べ、卓越風の推定を行った。風向をプロットして描かれた「カキノキの傾きにより知り得たる信州の夏季常風向図」は、谷筋の風の流れを見せ、風がぶつかりグライダーが上がるであろう場所を示していたのである。

それは山岳空撮などで飛行した際、実際に大きな上昇を得た場所と見事に一致したのであった。

これについて「日本の気候景観」で本図にふれられた浜田崇氏の文を転載させていただくとともに、グライダーパイロットとしての感想を、地元で飛行する万場泰雄さんと、新たに韮崎で飛び始めた吉岡利典さんに書いていただいた。
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