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030416 Dep. RJOY 18:52-19:10 Arr. RJOY 0h18m
030417 Dep. RJOY 08:36-11:17 Arr. RJBD 2h41m
030417 Dep. RJBD 12:22-15:36 Arr. Ohtone 3h14m
八尾の運用終了時刻は19:30。着陸は18:28。地面に降り立ち、ひとごこちつくと、携帯が鳴った。「いま、どこですか〜、いま、地下鉄(八尾南)を降りて、走ってますぅ、飛びたいですぅ〜、待っててくださいね〜」

走りながら、ぜいぜい言いながら、かけている。某新卒OLだ。会社で危機管理の部署に配属されたというが、その前に自分の危機管理をせいや、と言いたくなる危うさがあり、見ていて面白い。でも、これからもまれて、だんだん大人になっていくのだろう。就職して半月。会社が終わって、右も左も分からない大阪の地下鉄に乗り、焦って駆けつけてきたのだ。

「え〜、これから飛ぶのかよ、飛行場は閉まっちゃうよ」。吉野の桜の満開時期をwebで調べてくれたことと、がつがつ飛びたいという気持ちに免じて、しゃぁねぇなぁ、1回サービスしてやるか。「あら、優しいのね」ユカちゃんが笑っている。

運用終了時刻というのは、CAB局舎のドアに鍵がかかる時刻と思っていなければならない。係留など機体の始末に15分かかるとして、19:15には着陸せねばならない。

情報官室に急いで、プランを書いた。日はとっぷりと暮れている。離陸は18:52。やはり奈良市街中心部までは行けなかったが、奈良盆地の真ん中あたりまでふらふら飛んで、15分ほどで帰ってきた。

「こら、これで満足か?」
「は、はい」声がうわずっている。
「初任給もらったら、ビールの1杯くらいは奢れよな」
両手に花だったから、夜は道頓堀でちょっと飲んだ。

翌17日は、08:36離陸。再度吉野、そして山岳修験の紀伊半島脊梁部をなめて南下し、熊野本宮、那智の滝。

那智の滝の撮影も、なかなか難しい。細い谷の奥にある。崖が凄く近い。窓の位置の関係で、旋回の方向も決まってしまう。撮れているだろうか。そして南紀白浜に降りたのだった。

南紀からは大利根に電話。この電話のために、一端地上に降りたような具合だった。1日遅れのフェリーの状況を尋ねる。さっき離陸した、とJMGCの金子さん。頃合いはいい。往路は撮れなくとも、復路は、韮崎から大利根に修理に行くアステアを再び曳航して帰る計画だ。

南紀白浜から双葉へは、約2時間。大利根から双葉へは1時間とちょっとか。
愛ちゃんや山本教官は機体の受け渡しなどで1時間は地上にいるだろうから、長距離要撃作戦は可能だ。フェリー斑も、こちらの動向を少しは気にしているのだろう。伊良湖岬上空あたりで東京Infoにポジション・レポートすれば、おおよその時間管理はしてくれるだろう。

大宇陀


本宮


那智の滝


JA2444


JA2444
5,500ftでヘディング060。南紀から一直線で行く。そのまま行くとブチ当たる浜松は混んでいて、浜松TCAに方位を100に変更されたが、追い風の影響も大で、GSは120kt近いこともあった。
静岡市から北上。双葉FSに聞くと、あと20分ほどで離陸しそうとのこと。航空学園に向かう。こちらも到達するには20分ほどかかるだろう。

航空学園上空で高度を落としてしばらく上空待機すると、帰路の曳航が始まった。こちらの方が当初は高度があったが、曳航機の180馬力にはかなわない。相手の方が、あっという間に高くなってしまった。
笹子を抜けるには、7,000ftあたりまで上昇するに違いない。モグラでは、どうにもならないクライムだ。だからといって速度を抜けば、確実に置いてきぼりを食う。頭上を見上げながら、サーマルを感じたところでグイ、グイと引っ張り、いまいましくも、かなりの努力をして、階段を上がるように間合いをつめていった。

大月ではジョインナップできず、編隊を組めたのは八王子の手前だった。曳航機が横田APPと交信しているので、こちらはトラポンをOFFにした。
横田基地の滑走路を背景に、韮崎航空協会のアステアが飛んでいる。なにやら凄い光景だ。曳航索がなければ、きっともっと驚くが、曳航索があって、こんな高度感のある写真も珍しい。

右席のユカちゃんは、かなり真剣に編隊飛行の練習だ。前回よりはだいぶ余裕が感じられる。寄ったときには、操作小さく、でも、舵もパワーも総合的に操作してね。また、寄ったときに、どこか操作に小さく破綻したことに気づいたとき(普通は気が付かない)、ばたつくのをもう少し、ホント気持ち分、抑えてね。メリハリのあるジョインナップも、あと一息だ。もう2〜3回やれば、きっと完璧。

右手に大東京が広がっている。曳航機を呼んで、「ここで右旋回してほしいんだけど」。「OK、360度回るからね」
ほら、ユカちゃん、旋回だぜ。内側だぜ。ついていってね。遠望する高度感のある新宿副都心などを背景に、韮崎のアステアがバンクして写る。不思議な写真だ。そんなふうに遊びながら、結構楽しんで大利根に帰ってきたのだった。


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