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991208 JA09AW Dep. RJFT 14:20−16:06 Arr. RJFT 1h46m
天草に行く機会があれば、ぜひ見てみたい風景があった。

熊本県苓北町にある富岡の砂嘴である。巴崎とも、曲崎ともいう。

そもそも富岡半島は、島と本土が繋がって生まれた半島である。砂が運ばれて生まれたわけだが、町並みはその砂地に出来ている。砂嘴は、その半島から付属物のように延びて、稲妻のように段をなしている。砂嘴は流体力学の生む地形のひとつだ。

海の流れには、大規模な流れとしての海流、潮の満ち干によって生まれる潮流、そして沿岸流がある。

沿岸流は、地形などの影響を受けて、波が斜めに海岸に打ち寄せるたときに生まれる、ひとつのベクトル、海岸に沿った流れのことである。これが砂を運ぶ。わずかずつ運び、わずかずつ積み立てていく。延ばしてはさらに沿岸流に影響を与え、カーブを描きながらさらに延び、太っていく。

富岡砂嘴


富岡砂嘴
雲仙の火山が狭窄部を作った島原湾は、その奥に佐賀、大牟田、熊本、島原、諫早といった都市をもつほどに奥深さがある。その奥深さと湾口の狭さが速い潮流を生むに違いない。

湾口部は早崎瀬戸といい、いかにも強い潮流を予感させている。早崎瀬戸の北には湾口にある港を意味する口之津があり、南の熊本県側は天草の五和町である。その西隣が富岡を含む苓北町となっている。

出入りする潮流は、周辺の地形の影響を受けて様々な乱流を作るのであろう。余波のひとつが島から形成された富岡の、この砂嘴ではなかったか。

いま、天草の本渡には空港さえ生まれたが、外海に面した富岡は、本渡と並ぶ天草の中心地であった。砂嘴が囲む富岡港の奥には、城もあった。また、富岡の根本には富岡切支丹供養碑がある。
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