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010210 Dep. Ohtone 12:55-14:15 Arr. Ohotne 1h20m
030202 Dep. Ohtone 11:37-13:36 Arr. Ohtone 1+59m
横浜市西区があのアゴヒゲアザラシ「たまちゃん」に住民票を与えたというニュースがあったが、その住居である帷子川がこれ。
画面左下から逆くの字になって流れる、都会を貫流する川だ。

たまちゃんが昼寝をするのは、中央部やや上の丸いガスタンクのあたりではなかろうか。
それにしても結構な街の真ん中。北極海とはえらく感じが違うはずだが。

ちなみに写真の奥、高いビルがランドマークタワー、そのあたりが、新開発地区の「みなとみらい21」。
横浜駅は左手のビル密集地。右下へ直線的に走る溝のように見えるものがJR東海道線・横須賀線。手前が相鉄線天王町付近で、区役所がいう旧来の東海道保土ヶ谷宿跡。

江戸末期の、日本の地誌のはしりといえる赤松宋旦の『利根川図志』は、その巻六で、流域河口の銚子の先に、海獺島(葦鹿島・あしかしま)を紹介している。

『図志』にいう海獺島は、利根川河口と犬吠埼燈台のちょうど中間地点あたりであるらしい。

アザラシとアシカは違うが、まぁ動物の素人には似ているから許してほしい。
『利根川図志』に掲載された葛飾北斎が描いたと思われる図は、この部分で4ページにわたり、なかなか工夫されている。


銚子浦濱巡(てうしうらはまめぐり)海獺嶋眺望の図という鳥瞰図が見開きであり、次の見開きは、右ページにその島を望遠鏡(とふめがね)で覗いた丸く縁取りされた島のアップ、左ページに海獺の図。全景、注視、そして引き出された対象物そのもの。映像の展開がTVのようだ。

この『図志』の該当ページの写真は、千葉県立関宿城博物館所蔵のものを撮らせていただいた。
この博物館は建物こそ迎合的だが、千葉県は県内各所に博物館をつくっており、こここ利根川流域の文物を知るのに、格好の展示内容をもつ施設となっている。関宿滑空場に行ったものの、飛べない場合など、一度じっくり見学されることをお勧めしたい。

さて、本文には、こうある(引用:口訳利根川図志・崙書房刊)。


横浜


犬吠埼


「利根川図志」


銚子
あしか島は、岸から四、五町(約400〜500m)ばかり離れていて、小島が二つある。一年中この島にあがるあしかは20〜30頭である。あるいは80〜90頭で、多いときには200〜300頭のもおよぶ。

波打ち際にひとつの丘がある。ここに登って望み見ると、数百頭のあしかが重なり合い上になり、下になって狂ったように遊ぶ様子はまるで犬の子が母犬の乳を争っているかのようである。鳴き声は、白鳥に似て遠くまで聞こえてさわがしい・・・・

この本によれば、『図志』が書かれた江戸末期には、大利根飛行場に近い布佐・布川でシャケが獲れ、ここらのが一番美味だともある。人間にとって100年は大きいが、自然にとっては、きっと大した時間じゃない。「たまちゃん」が帷子川に居着いても、そう思えば不思議じゃないのかも。

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