Welcome to AIRWORKS HP
HOME Turn Point 空遊録 編集長日記 Collections Contact
Back
 (1)

(1)飛行機と何が違うのか

モーターグライダーを使うからといって、セスナなど小型飛行機を使用する撮影と、さほどの違いはありません。最も異なることは、コスト(直接運航費)が低いことです。

直接運航費が安価な機体ですから、年に一度、車の車検にあたる耐空検査を受け、保険代を支払い、ホームベースの年間駐機料を支払ってしまうと、それは総額約100万円といったところですが、それを済ませると、後はポケットマネーといえる額のコストで飛べることになります。


また、自家用機の、こうした飛んでも飛ばなくてもかかるコストを固定費といいますが、年間経費に占める固定費の割合は、飛べば飛ぶだけ低下しますから、たくさん飛んだ方が飛行時間あたりの飛行単価は安価になるわけです。で、たくさん飛ぼう(年間最低200時間)と思っています。


ちなみにクラブや運航会社で機体を借りた場合の一般的な1時間あたりの価格をいいますと、小型のタービンヘリで40万円、セスナで8万円、モーターグライダーで2万円といったところでしょう。自家用のモーターグライダーを自分で操縦してたくさん飛べば、もっと安価になるのです。

さて、直接運航費の話です。飛行機は指定された航空ガソリンしか使えませんが、モーターグライダーは自動車のハイオク・ガソリンを使うことも許されています。すると燃料単価は半額です。

加えて、エンジンは90馬力と小さいため、そもそも燃料を食いません。1時間飛行して15L程度。2,000円でお釣りが来ます。これはセスナの1/4程度でしょう。さらに燃料単価をかけると1/8になるわけです。

また、1時間飛行すると、追い風向かい風の影響がありますが、約170kmは飛べますから、車の燃費より良いほどです。現在使用中の機体、グローブG109Bは100Lの燃料を搭載しますから、約6時間は飛べることになります。西風がやや強くても、東京近郊の滑空場から、高知・松山くらいは不安なく飛行します。

逆に東へ飛ぶ場合は、宮崎−東京も無着陸で飛ぶことが可能です。

また、山岳の空撮などで3,000mといった高空にいますと、燃料と空気の混合比の関係から燃費はさらに低減され、時間10L以下の消費で済む場合もあります。

また、日本の飛行場は、特に離島の場合など、小型機用航空ガソリンの給油ができない場所が多いのです。すると、帰りの燃料を心配しながら飛ばねばなりません。

例えば対馬から五島列島などへ飛ぼうとすると、長崎か佐賀か、どこか給油のために寄港しなければ、まず飛べません。ハイオクは、飛行場のあるほとんどの離島で用意されています。したがって、非常に自由度が高くなるのです。

また、飛行機をはじめすべての航空機は、航空法で定めたとおり、陸上機にあっては国が認めた飛行場しか使えません。そうでない河川敷にある滑空場などは、事前に場外離着陸場申請という手続きをして、許可をもらわねばなりません。モーターグライダーはその適用が除外されています。

基本的に、上昇気流を見失うと所構わず降りてきてしまう滑空機の仲間だからです。さて、その申請も1週間はかかる事前申請ですから、今日は天気がいいから、といっても、飛べません。予定した日が天候が良いとは限りません。

逆にモーターグライダーも、車でいえば車検もナンバーも運転免許も必要な真っ当な航空機ですから、羽田や伊丹など大空港を除けば、エアラインの旅客機と交じって普通の空港を使うことができます。

ここでも自由度には高いものがあります。ですが、空港など国が認めた飛行場は、役所の管理ですから、運用時間があります。

夏など早朝4時半といった、日の出から撮影飛行に飛びたいのですが、空港の運用時間は朝8時から、という例が多く離陸できないため、早朝の素晴らしくすがすがしい光線状態をみすみす失うことになってしまいます。

風景写真を撮る場合、早朝の斜光は貴重です。光が頂点から射さないため、光る部分も影の部分も生まれ、ものが立体的に写るのです。夕刻も斜光ですが、気温の上昇を経た後で、上昇気流が埃を巻き上げていますから、どうしてもクリアにはなりません。光も赤くなりがちです。

河川敷滑空場などの場合は、近隣住民の騒音苦情がないかぎり早朝から離陸できます。ここでも自由度が高いのです
TOP
TOP | about AIRWORKS | 通信販売について | Contact

Copyright Hiroshi Seo All Rights Reserved