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 (1)救急車を待機?

020812 JA09AW Dep. Ohtone 12:37-12:43 Arr. Ohtone 0h06m
JA09AW Dep. Ohtone 13:50-14:15 Arr. Ohtone 0h24m
020813 JA09AW Dep. Ohtone 08:51-12:15 Arr. RJOY 3h24m
先週の長期予報、すなわち今週の予報は、全編、晴れ晴れピカピカだった。中断した九州・山陰、その他四国や瀬戸内海の再撮を再開しようと意気込んでいた。少し不安があるとすると、在京の数日が、理想この上ない上天気だったことだ。日本の天気はこんなにもつわけがない。案の定、出発前日になったとたん、予報欄にはグレイ(曇り)の色合いが増えていった。九州までの長距離を飛べるのかしらん。

出発前日。機体の、エンジンを中心とする比較的手の込んだ点検をしてもらっていたので、出発前日にはテストホップして、確認した。手を入れると、機体の隅々まで、何かしらピリッとした感じになり、エンジン音もどこか軽やかな感じ。「左右の燃料の濃さがアンバランスだったので、幾分濃いめに調整しといたから」とのことだった。

その実効性は感じるが、では、さて、濃い燃料は航続時間にはどのように影響するのだろうか。リーンなエンジンなら、大利根−松山を不安なく飛べるはずだし、実績もあるが、濃くなったとすると、どうなるか。



長篠・馬防柵
当初出発日、出かける日だ。昨日は全くベストといえる晴れだったが、起きてみると霧が濃く、500ftあたりに濃い雲の塊もある。TVをつければ、「ズームイン・スーパー」では、都内麹町日本テレビ前では、なんと傘をさしている。何たる仕打ちか。足取り重く飛行場へ向かう。9時の成田METARは、視程5,000m、SCT500、BKN700と伝える。10時、11寺になっても、それは変わらない。
しかし、千葉県も木更津の南から館山あたりのデータは、視程はいまいちであっても、飛べそうな雰囲気。それはずっと関西まで続いている。要するに、大利根からせいぜい20分進出できれば、そのまま関西や四国にたどり着けるのだった。
でも、その700ftのシーリングで、突き抜けて行けるか?離陸したものの、ログしたのは12:37−12:43の6分。結局場周の外にチラと出ただけで舞い戻るはめなった。もう1回トライしたが、結果は同じだった。

1日我慢して、翌日。
大利根−松山をダイレクトに飛ぶ計画。しかし、同乗者はグライダーの練習生ではあるものの、ウィンチ曳航の3分、4分のホップの繰り返しで、5時間、6時間という長時間のフライトを経験したことがない。もつかな、という懸念があった。

比較的ヘッド・ウィンド強く、ウェストバウンドは時間がかかった。しかも、愛知県下では、長篠の戦いを再現するために作られた馬防柵、三重県下では寺内町の典型といえる津の一身田、東海道・関の宿場町、上野城趾など撮っていく。タイトな旋回も、かなりする。

正直に言うと、自分自身でも、ちょっと疲れたな、という感じであった。3時間は経過し、奈良盆地上空で、右席に「大丈夫か?」と尋ねると、考えるそぶり。いけいけドンドンという調子の良さはどこにもない。ヤバイのかな?
時刻は昼近く、腹も減った自覚がある。「よう、これからさらに2時間以上飛ぶぜ、本当に大丈夫かよ」、「う〜」。「う〜、じゃ分からない。」、「降りれれば・・・・・嬉しい」

東京Infoを呼び、当初プランを変更し、八尾空港に着陸可能かどうか、調整をお願いした。フライトプランの変更には理由がつきものだ。何か言わねばならないが、ちょっと騒ぎが大きくなる懸念もあったが、「同乗者の体調不良のため」と言ってみた。
「救急車を待機させましょうか?」
やっぱり。
「いやいや、それには及びません。1、2時間、地上で休養すれば回復できる程度です。よろしくお願いします」

右席を振り返り、「オマエな、地上に降りたら、ちっとは青い顔をしてろよ、な」
「・・・・・・」
半分は冗談だが、今、大丈夫でも、さらにこの先2時間にもなる空中時間は、何をもたらすか分からない。休めるときに休むにこしたことはない。
AEIS(東京Info)が八尾空港と調整してくれる間、条里田の広がる盆地上空で旋回を続けた。八尾は、すぐそこだ。

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