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いよいよモーターグライダーが編隊離陸しました。私はナレーターの○○○○です。こんにちは。今日は、○○○滑空場にお招きいただきありがとうございます。

私たちは千葉県関宿町、江戸川河川敷にある関宿滑空場をベースにする、編隊飛行デュオです。チームの名前は「スピリッツ」。デビューは、1993年の「空の日」、仙台空港祭でした。その後、宮崎県都城市における、エアーショーで演技しました。以来長いブランクがありましたが、歴史だけは長いチームです。

私たちアマチュア・パイロットは、自分たちの楽しみのために空を飛んでいます。ただ漫然と飛ぶよりも、何か目標があったほうが、操縦技量の向上に役に立つと考えています。チームの機体は、エアショー向けの派手な機体ではありません。2機がどれだけ呼吸を合わせて飛ぶことができるか、そこを、ご覧下さい。それが私たちの目標です。ピタリと決まった編隊飛行がお見せできれば、とても幸せです。

リード機のパイロットは瀬尾央。岐阜県出身○○歳。飛行時間2000時間+。グライダーパイロットとしてはスリー・ダイヤモンドです。航空写真家で、航空自衛隊の戦闘機を始め海外の空軍や、海軍の曲技飛行チームの同乗取材など行ってきました。現在は、みなさまにもおなじみの滑空誌「ターンポイント」の編集長です。

ウイングマンは尾関和志。同じく岐阜県出身○○歳。グライダー発航回数1万5000回を越え、3,000時間以上の飛行時間をもつベテラン教官です。グライダー修理についてはドイツで研修を受け、整備や修理を手がけると共にその技術を生かして建物の内装のメンテナンスの仕事をしています。

さて、編隊は会場右手から進入します。斜め後ろにウイングマンが付いた隊形をエシュロンといいます。これが基本的な隊形です。リーダーは後ろのウイングマンのことをよく考えて、コース取りをします。それに
したがって、ピタリと同じ位置を保つウイングマンの技量にご注目ください。バンクをとって進入し、会場正面で一度右旋回を行います。ECHELON PASS。

編隊は会場左で旋回後、隊形を変えて再度通過します。ウイングマンが後やや下に付いた隊形をトレイルと言います。TRAIL PASS。

この機体はドイツで生産された、グローブG109Bといい、機体の幅は17.4m。エンジンがありますが、グライダーの仲間ですから、長い翼をもっています。機体は強化FRP製で、エンジンはフォルクスワーゲンベースの2500cc、90馬力です。

グライダーの仲間ですから、エンジンを止めても飛行できます。その時の性能を滑空比といいますが、滑空比は28です。グライダーとしての性能もあるために、非常に燃費がよく、1時間に15リッターの燃料消費で、東京から北海道の滝川まで無着陸で飛ぶことができます。宮崎から東京まで無着陸で飛んできたこともあります。

さて、会場右手より進入した編隊は、5秒間隔で急激なPICH UP BREAKを行います。

会場のみなさんはご存じかもしれませんが、モーターグライダーを操縦するには自家用操縦士の免許が必要です。身体検査を受け、運輸省の学科試験と実技試験を受け、約100時間の練習でライセンスの取得が可能です。週末を利用した練習では、約2年の日数がかかります。初単独飛行を迎えた時は、どのパイロットも感激です。

あるいは飛行機の免許と滑空機の免許をあわせて取得しても、資格を得ることができます。それにはアメリカなど外国で練習するのが、早くで便利かもしれません。

編隊は離れました。50ktの低速飛行をするリード機を、100kt以上の高速で突っ込むウイングマンが抜き去ります。SLOW & FAST。アメリカ海軍のブルーエンジェルスであれば、この同名の科目では、2機のソロ機が大小2つの宙返りを行うところですが、残念ながらグローブは曲技ができません。さて、会場中央で追いつくことが可能でしょうか。

モーターグライダーの編隊飛行は、実は非常に難しいものがあります。抵抗の少ないグライダーのような機体を使った編隊飛行は、空中で減速のためのブレーキが利きにくく、非常に難しいものがあります。また、操縦性がフアフアしていることも、難しさのひとつです。したがって、ジョインナップする場合は、付く位置の50センチほど下を狙って接近し、ほんのちょっとの上げ舵をとって、行きあしを止めています。

また、旋回をする場合、内側と外側では、確実な速度差があり、ウイングマンは比較的大胆なパワー操作が必要です。

編隊の2機は会場を離れてジョインナップします。キュッと2機が締まるように編隊を組む様をご覧下さい。

さて、SPIRITSは正面(背後)から会場をめがけて進入します。2機は突然交差し、一瞬衝突かと思わせながら、左右に分かれます。OPPOSING CROSS TURN, NOW!

2機は会場の左右に分かれて急旋回をしています。歩調を合わせたシンクロ競技が見せどころです。2機が向き合いました。会場正面でひらりと身をかわして交差します。HEAD ON CROSS, NOW!

これでSPIRITSの演技を終わります。グライダーやモーターグライダーにご興味のある方は、会場に戻りましたチーム・メンバーに、是非ご質問下さい。本日はありがとうございました。また、機会がございましたら、お目にかかりたいと考えています。
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