恐ろしく暗いコクピットの赤いドームライト。その光だけで計器板を写す。高度12,250ft。伊那谷を北上するあたりだろうか。
夜明け前の松本空港周辺。白んだ空だけのライティングだ。
これも、太陽が姿を現す前の常念岳。雲はやや赤いが、透明感のある青の世界だ。
松本盆地上空には太陽が注ぎ始めたが、地上はまだ夜明け前だ。たぶんこの高度では、東側に障害物がないとしても、10分ほどの差がある。
さきほどの常念岳上空を一周しようと接近した。猛烈なローターに引っかかり、コクピット内にカメラなどが散乱した。風景の表情と風の様子は一致しない。
光は青から赤、黄に変わっている。
この先、北アルプス北部は、このように雪雲だ。
南下することにした。まずは前穂高岳。怖そうな山頂部の雲。
乗鞍は雲が多かったが、さらに南下した御嶽山はうっすらとウェーブ雲があり、接近の価値ありだった。太陽高い雪山はこれほどまでにメリハリのある表情を見せてはくれない。早朝の、7時台の雪山だからこそ、この影があり、立体感が増幅されるのだ。そしてこの時刻にここにいることは、普通の空港では望めないことなのだ。
松本空港は、まだ眠っている。
御嶽の山頂部に到達。
風上側に居続ける。
北を振り返ると、乗鞍との間の溶岩台地がよく分かる。影の付き方がこの時刻でなければ望めないものだからだ。きっと地質学者の俊ちゃんなんかに気に入ってもらえそうだと思った。
谷を渡って中央アルプス北部。シャープな稜線を越える風は雲を作る。
やはり、風上側に居続ける。
南アルプス北部、北荒川岳から北側を望む。北岳を経て八ヶ岳が見える。
8時だったので、双葉FS航空学園にコンタクトし、現在のQNHをもらった。
富士山。屹立感は、やはりこの時間まで。8時をやや過ぎた時刻。
忍野村上空から見た富士吉田、河口湖、御坂山地、そして甲府盆地。手前は杓子山か。
道坂トンネル上空から見た都留から富士吉田への谷。この頃14,000ft。大利根に機首を向けたらGSは140kt になった。
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