Welcome to AIRWORKS HP
HOME Turn Point 空遊録 編集長日記 Collections Contact
Back
 (3)

5/03は、連休初日に撮ることを諦めた小松管制圏・進入管制区内の、いくつかのポイントの再撮影のために、飛騨から飛んだ。

それだけではなく、小松エリアから福井に向かい、さらに山を越えて濃尾平野に出て、揖斐川が山地から流れ出たところにある河川敷の新しい大野滑空場を見た。この滑空場の成り立ちについては、木村貫一さんや、ここから借り出したKa6CRのこととともに、いくつも物語りたいことがある。

さらに大垣市街地、墨俣一夜城、を撮り、長良川をさかのぼって、美濃市、郡上八幡町を撮った。

現在でこそ、木曽川と長良川は、学連木曽川滑空場のある海津町の先で合流しているが、木曽川の旧河道が、もしこの墨俣の一夜城付近まで、オーバーシュートするように流れていたとしたら、すなわち合流点がさらに上流であったなら、一夜城がここに作られた意味も、さらに数百年さかのぼる、いにしえの街道のありようも、もう少し誰にも見えるような要所としての説得性があるように思う。

上空からは、木曽川がオーバーシュートするように流れていた名残?にも思える堤川が笠松方面から墨俣に向かって流れ込み、上空からは、これが地図を見ただけでは想像できない大きな存在感があって、非常に興味深かった。

岐阜市街地や、「長良川競技場」、岐阜城と金華山を見ながら、長良川をさかのぼる。あのJリーグの試合も行われる競技場の近くに、私が通った中学校(分割廃校)があった。現在は、国際会議場+ホテルになっている。

その前の河原で、昭和30年(47年前だ)だか、グライダーが飛んでいたことを覚えている。巨大な、スパン3〜4mはあるグライダー模型も飛んでいた。その機体の色は緑だった。グライダーが飛ぶのに見とれた私は、そのころ小学校1年生。あれは、戦前の前田航研の職工長、戦後プラモメーカーのLS社長だった木村貫一さんをリーダーとする活動だった。

美濃市へは、1,000ftで。名古屋TCAは、やはりレーダー・ロストだと言ってきた。この高度だと、濃尾平野のヘリにあるいくつもの低山の陰になる。その昔、美濃紙(和紙)を舟運で積み出した港町。家並みに、なるほど、と思わせるものがある。

「長良川も四万十川のように蛇行してんですね」。
蛇行する川をトレースするように飛んで、郡上へ。谷間に、きゅん、と詰まった、文化の薫り高い町。夏の盆踊りも、高校時代から来てないなぁ、と懐かしかった。

郡上から、強引に山越えし、乗鞍岳南面をなめて松本空港へ。この日のファースト・ピリオドは3時間27分。午後は、グライダーが山を飛べる条件ではなく、飛騨にスダチを返し、バスで東京に帰る予定の藤沼さんを乗せて、大利根に帰還。翌日は飛べそうな天気ではなかったから。


5/04は東京でデスクワーク。さて、5/05。ま、晴れることは分かっていた。朝、起きると、やはり快晴。撮り残した機体の空撮が気になって、大利根に車を走らせた。

誰か、お手伝いのパイロットはいないか、2、3、電話したが、朝早かったり、連休中で不在だったり、都合が悪かったり。で、再度飛騨へ飛び、JMGCの合宿参加者から再びスダチをさらうことにした。飛騨へは、1人で飛ぶ。

ヘッドウィンド強く、GSは65ktしか出ない。思わず富士山頂の風のデータをAEISに聞いてしまった。10時で24kt。巡航する8,500ftでもほぼ同じだ。さらに、秩父から蓼科の山中は、5/02同様、トップ7,000ftの雲海。前日よりややばらけたところが多いのが幸い。


10時過ぎてもこんなんじゃあ、今日もグライダーは遠出はできないんじゃないか、という懸念。それがどうかは、数時間すれば、判明するだろう。キャップクラウドを被る穂高など、いいシーンだが、安房峠の谷間は激しいローターで、撮ってはみたが、どのコマも結局ブレてしまっているだろう。機体もギシギシいっていた。

大野滑空場


美濃市


郡上八幡


HK36


RF5 & G109B & HK36


ASW20 & LS7


LS7


SF34b

2時間4分飛んで、昼に飛騨着陸。事前に燃料を用意してもらっておいたので、ミッションを終えたら、そのまま大利根に帰着するプランとする。昼メシにもありつけた。

さて、JMGCには新しくスーパーディモナも導入されたし、日本の脊梁山脈を背景にクラブの機体の写真が撮れる機会も少ないから、行きがけのダチンに合宿参加機の編隊を撮っていくことにした。RF5、G109B、HK36の異機種3機右エシュロン+撮影機。

だが、山近くいい背景となると、そこはローターゾーンで、3機ともなれば静穏でも合わせるのが困難なのに、編隊は暴れる。「長機は真っ直ぐ飛んで!」の声に、「オマエ、やってみろ!」の応答。あまりにシビアで険悪。

で、編隊を解き、各機を1機ずつ南下しつつ撮る。乗鞍の北西から始まった空撮だったが、気が付くと御岳の南まで飛んでいた。予想外に南下したことになり、位置確認にキョロキョロしてしまった。

時間も時間だし、そこで方位を八ヶ岳南面に向け、韮崎から上がっているはずの、アクシオン軍団を要撃にいく。まるちゃんのLS7と、相沢君のASW20を、山らしいところで撮りたい。霧ヶ峰の機体のことも気になったが、フライトサービスを呼んでも応答なく、韮崎に直行。

到着してみれば、彼らはまだリリースポイント付近。運悪く、5,500ft以下はサーマル条件が渋く、だからといって、上がれても7,500ft程度。ジョインナップして一度八ヶ岳に向かったものの、とても届かない。仕方なく、富士山を背景にローカルで撮る。光の条件がいいことだけが幸い。

到着してみれば、彼らはまだリリースポイント付近。運悪く、5,500ft以下はサーマル条件が渋く、だからといって、上がれても7,500ft程度。ジョインナップして一度八ヶ岳に向かったものの、とても届かない。仕方なく、富士山を背景にローカルで撮る。光の条件がいいことだけが幸い。

4/27からの連休、板倉に忘れ物(カメラだ!)を引き取りに行ったのもふくめ、都合20ソーティ。同乗者計6名。35mmフィルム43本、ブローニィ26本を消費。最長時間はこの日の3時間40分。総計31時間44分の飛行時間。

次号TPのひとつの骨格ができた。 

 |  | 
TOP
TOP | about AIRWORKS | 通信販売について | Contact

Copyright Hiroshi Seo All Rights Reserved