無題
パイロットなんてごく一部の人間しかなれないと思っていたけれど、大学にこんな部活があるなんて! と、入部検討中の学生が目を輝かせて格納庫に訪れる。上級生が仮入部の学生にパラシュートを装着し、実際にコクピットに座らせる。ある程度経験を積まないとこの機体には乗れないが、やはりわくわくするものだ。
航空部への入部希望者には、できるだけ早い段階で機体そのものを見てもらう。グライダーはいくら口で説明してもイメージがつかみにくい。もともと飛行機に興味があったか否かに関わらず、組みあがった美しい機体を初めて目にすると誰もが感嘆の声を漏らす。
「思ってたより大きい!こんなの学生が飛ばせるんですか?」
「飛行機なんですね、琵琶湖で飛ばすアレとは違うんですね!」
こんな声を耳にすると、我々航空部員は少し得意になり、やはり特殊な世界に身を置いているのだと再認識させられる。
やはり初フライトも我々にとって大きな意味を持っているが、現在活躍する学生グライダーパイロットの多くが、フライト以前の「初コクピット」の瞬間に自らの学生生活を決したに違いない。
2007.12.29up