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「今年のアルプスは、どうするんだい?」
「世界選手権の開催時期が早いので、今年の連休はもうヨーロッパに出かけています。リーダーは丸ちゃんですから、相談してみて下さい」
アクシオンの市川展選手は、そう言い残して旅立っていった。

5月の連休くらい、機体の空撮が出来るときはない。山々の奥深く分け入って飛ぶグライダーの空撮は、滑空気象条件(ベストというにはやや遅いかもしれないが)といい、人や機体の集まり易さといい、撮影の各種のオーガナイズを比較的楽に出来るのは、この時期なのである。精一杯撮って、グライダー・カレンダーや次号TPなどの口絵を飾りたい。

韮崎から上がるアクシオン、長野から上がる長野市グライダー協会+本田航空研究会+α、霧ヶ峰からも八ヶ岳や南アルプスを目指す機体があるだろうし、飛騨エアパークでは中航連岐阜支部を中心とするグループが乗鞍・御岳を楽しむだろう。
本格的な山岳ソアリングは、この国の滑空の内実を必ずや変えるであろうと思われるので、目が離せない。

今年の連休は、連続9日間とれなくもない大型連休だった。滑空協会公認カレンダーのことを考えると、山岳ソアリングもいいが、撮影地のエリア的広がりも考えなくてはいけない。全国的網羅が感じられるようにしたいのだ。地上撮影であれば、どこに行くのもいいが、連休となればエアラインも新幹線も猛烈に混んでいる。となると、自家用機で飛んでいって空撮、ということに集中したいのである。航空機曳航の可能性のある大野はどうか? 福井の学生グライダーはどうか。

つい1ヶ月ほど前、一体学生の新人勧誘はどのように行われているのか知りたくて、関西関東いくつかの大学を巡ってみた。昨年、『滑空への招待』という小冊子を作ったが、それがどのように機能しているか、有効性はあるのかないのか、あるいは実態にそぐわないことはないのか、色々知りたかったからだ。
中には「これは、私らのグライダーとちゃう」と言った大学航空部卒業直後の若い人もいたが、たぶんそれは教え方が間違っているせいだと思うが、ちゃうならちゃうで、身の丈に合った振興用の出版物はいくらでも考えられる。パンフレットや小冊子など、どんどん作ればいいのだ。
でもな、ガキのうちから究極のターゲットくらい見据えておかないと、きっと回り道するぜ。最短コースを歩んだつもりでも、オレなんか無駄な努力を一杯してきたもんな、くらいのことは、「ちゃうならちゃう」のうちに感じるのである。

巡った大学のひとつ、関西大学が関西学院と一緒に、連休はじめに福井で合宿をするという。モーターグライダーで曳航するのなら、通常2,000ftのところ、+1,000ft余分に上げてもらい、その余裕分消費する間にジョインナップして撮ることが出来る。
物理的に空撮出来ても、それは組織的に許されることかどうか、分からない。そもそもいつもは隣にいない機体が至近の脇にいる。危険な要素をわざわざ置くわけだから、いろいろ考えなくてはならない。訓練所長の田口さんは「やりましょう」と言ってくれたけど、やはり航空部監督の立ち会いがあるときがいい。
「何? 監督は30日には八尾からセスナに乗って合宿を見に行くって? ほな、ウチの空撮も福井で30日にやらせてください」

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