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/69分、DVD


(ジュアン・マンダルバウム監督作品)

『A Fine Week of Soaring』は、ペンシルバニア州ミフリンで行われた地区の滑空選手権で撮影されたビデオで、アルゲニー山脈のリッジにおける美しい空撮が多数含まれています。

プロデューサーでディレクターのジュアン・マンダルバウムは、むろんプロの映像作家でありますが、自らも高い技量を持つソアリング・パイロットで、この作品の空撮では自分の愛機、デュオディスカスの後席で撮影しています。前席で操縦桿を握ったのは、1960年代後半にアパラチアン・リッジを開拓し、世界記録も樹立したカール・ストリーディーク。

空撮映像で特筆すべき点は、今までのソアリング映像と異なり、前席コクピットからの視点が多く、競技パイロットになった気分にさせられるところでしょう。雲に乗ってふわふわと、といった一般的なソアリングのもつ印象とは逆に、この映像はグライダー・レースのもつ、真剣さ、強烈さ、テクニカルなチェレンジ・スポーツであるところを、あますところなく描写しています。

おそらく他の航空スポーツでは、これほどまでに持続的なディシジョン・メーキングと、精密なフライト・コントロール、マイクロ気象学や地表に対する知識といったものの総合力が要求されることはない、と思わせるものがあります。

ミフリンにおけるようなリッジ・ソアリングでは、ローカルな地質学地勢学に広範囲に詳しくないと、安全と速度を両立的に確保することが困難なことも分かります。

アメリカの競技パイロットの長老であるジョージ・モファットは、「ソアリングは、不可視の空の地勢学を通して、あなた自身の努力が何かを教えてくれるもの」であると語っていますが、地勢学といっても、リッジの木々の上50ftを100ktの飛ぶときの映像や、インフライトの実況説明は、このスポーツが、いかにやる気をなくさせるほどの、高度な、困難なスポーツであるかを物語ります。

そのマーファやワイケリーの世界選手権に勝ったジョージ・モファットの全盛期の、オープン・シーラスの映像も挿入されています。

デュオディスカスの尾翼に取り付けた広角カメラは、ストリーディークが見ている素晴らしい光景を映し出し、コクピットの彼の肩越しのカメラは、コクピット操作を教えてくれます。前席後席のやりとりを語るオーディオは、全体の流れ(文脈)、行為の意味、説明を浮き彫りにします。前後席の会話が分かると、なにせ前席は15回全米チャンピオンになったカール・ストリーディークが丹念に説明しているので、教えられるところが多いのではないでしょうか。

また、最近の競技に欠かせないGPSのトラック・データは、3Dのマッピング表示に取り込まれ、デジタル・アニメーション化されて、レースの最中、刻々何が起こっているのかをも感じさせてくれます。

このビデオは、物語性、編集の妙、耳障りにならない音楽、といったものが総合され、ある意味エッセイであり、ある意味ドキュメンタリー、またある意味教本として、素晴らしいプロダクション・バリューを持ち、ソアリングの面白さを語ってやみません。今まで見た最高のソアリング・ビデオであり、どの分野のパイロットにもアピールする内容と信じます。

ストーリー性という意味では、素人受けする放送用に撮影された、ニュージーランドの『Wind Born』ほどの劇的なものはないかもしれませんが、DuoDiscusによるリッジにおけるクロスカントリーと、それによる競技会の面白さを余すところなく伝えています。ですから、クロスカントリーを始めたり、競技に足を踏み入れそうな人には、大変参考になる映像のように思いました。

それにしても、米国の小さな地方大会が、これほど自然に運営され、内実の濃いものであることが、とても羨ましく思えました。

DVD版をデッキにかけたところ、リージョナル・コードの問題なく再生でき、楽しめました。PCでご覧になっている方もおられます。またVHSビデオ版は日米共通のNTSC仕様です。

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ご覧になった万場さん(長野)からご感想をいただきました。

DVD拝見しました。いろいろ驚きました。話に聞いていた米国東部のリッジソアリングの実態の一部だと思いますが、山がこんなにつながっていてうらやましい(日本の山は生成が火山性のため点在してつながっていません)。

また山に近いのはそんなに驚かないにしろ、飛行コースがすごい。私はあそこは飛べない。あの緩斜面で飛んでいると、リフトから外れた時、次の手がうちずらいのではないかと思います。飛行高度も低いのでOUTランディングの可能性が高いですね。

でもこれだけ速度が出せる(おそらく150km/hほどか)のは10m/s以上の風が安定して吹いているためだと思いますが、ここがこれだけ有名になるほど風が吹くのはなぜでしょうか?我々が行っている山飛びとはちょっと違ったグライダーの飛び方ですね。

多くの人に見てもらえるといいと思っています。
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