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TP09で、曳航機ロバンDR400と元祖モグラのフルニエRFシリーズの接点を探るストーリーを掲載予定にしている。

僕らが初めてDR400を入れたとき、JMGCの中澤さんが、「主翼と胴体の取り付け方が一緒じゃん」と驚いていたことが、ずっと気になっていて、いろいろ調べた。やはり、この2人が接近する時はあったのだが、それはそれとして、ロバンの元はジョーデルという自作機だった。

ロバンの主翼には大きな特徴がある。中央翼は矩形で上半角もなく、外翼部は大きくテーパーするばかりか大きな上半角をもっている。これは原型となったジョーデルからの伝統だ。

ジョーデルD9ベベから派生した機体は、一体何社で生産されたのかしら。ロバン以外にも沢山ある。第2次世界大戦直後のフランス政府は、ジェネラル・アビエーションの振興策をいくつか打ち出すが、ジョーデルの発展型の開発にずいぶん資金を提供している。

また、個人が自作機として作ったのも世界中にあって、現在も作られていて、相当な数になると思う。

さて、ジョーデル、ドラヌ、ピエール、フルニエ、あるいロバンといった、戦後間もないころ生まれた、20〜30hpのVWエンジン装備の自作飛行機には、特にフランスのそれらには、自由で甘美な味があって、たまらない愛おしさを感じる。原型機設計者はたぶん、みな素朴にクレージーで、それが許された時代にいきいきと活動したように思う。飛行特性を云々する以前に、こうした機体を実現でき、今も飛べることを羨ましいと思う。

これらは古典グライダーと似てもいるのだが、あの時代のグライダーほどにはキバっていない。そして、この時代の欧州製小馬力自作飛行機こそ、モーターグライダーが生まれる底流だったとも思えるのだ。しかも、お互いにどこかで接点を持っている。

それはどんな時代だったか。ジョーデルと直接的な関係はないが、同じクラスのチュルブラントは、原設計者のドラヌが高校生?(17歳)のときの作品だ。今の日本で、どの高校生が飛べる機体を作ってみせるか。そういうことを許す教育があるのか、とも思う。

チュルブラントは今でも自作されているし、タイガークラブ(世界最古の飛行クラブ=ベースはロンドン南郊レッドヒル)には今も、ラジオを持たない4機のシンクロ・フォーメーションのチームがある。パイロットはみなサラリーマンだ。25年も前のチームは全員がBBCの放送局員だった。

また、クロード・ピエールのエメロードは、出現時からシックな木製機だったが、現在ではフランスを代表する複座曲技機CAP10Bや、アンリミテッドの単座曲技競技機CAP231に至っている。

じつはこの人が戦後初のフランスのフライインで1等賞を取ったとき、その賞品となるカップを作ったのが、RF4の設計者になるフルニエさんだった。フルニエさんは、このとき機体の設計家でもなんでもなく、陶芸家だったわけ。バイオリニストでもあったという。

フルニエが試作機の量産型RF2を製造してもらおうとしたのが、ロバンだった。そのロバンは、ジョーデルの発展型でレース、といってもリノなどのパイロン・レースではなく、マルタ島一周などのクロスカントリー・レース、で優勝を重ね、ロバンを売れ筋商品に仕立てていく。DR400のDは、ジョーデルのデル(デルモンテ)を意味し、Rは本人の名前の頭文字、デルモンテ・ロバンである。

結局、どの機体も、このころ生まれ、絶えることなく生き続けているのだ。

現在ではロバンは滑空の本場の主流曳航機となっている。そのロバンを語るには、大元のジョーデルから説き起こさねばならない。とはいえ、なにせフランス機である。読める資料がなかった。

でも、探せばあるものだ。Xavier Masseという人が書いたフランス語の本を英訳して「ジョーデル航空機1936−2002」というCD-ROM化したものが、愛好者グループから発売されていた。機体の味は、フランス人以外にも直感的に分かるのだが、内実は読まねば分からない。これは英語圏の人たちが欲しかった翻訳資料なのだろう。そしてカバーされた機種は、表題のとおり戦前から現在に至っている。

このCD-ROMは、オリジナルの本にある174枚の写真に加え、製作の実態を物語る8枚の解剖図、28枚のスケッチ、3面図については、フランス・ヴァージョンのジョーデルの15セット、オーストラリア・ヴァージョンの6セットが掲載されているという。

たぶん、航空史家やスケール模型マニアには欠かせない資料だと思う。日本では20枚限定、4,000円+送料で希望者にお送りします。
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