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(Hiroshi Seo Peter F. Selinger)

全112ページ、古典機から最新鋭まで108機種+α。待望の瀬尾央滑空機写真集です。英語版もありますので、海外へのプレゼントにもご活用ください。序文は、世界選手権4度制覇のインゴ・レナさんが書いてくれました。

【掲載機種】

SG 38 Schulgleiter (Germany)
Asahi Komodori (Japan)
Rubik R 07b "Vöcsök" (Hungary)
HØgslund/Traugott-Olsen 2G (Danmark)
Schempp-Hirth Nimbus 3 (Germany)

Warszaw PW-2D "Gapa" (Poland)
Scheibe SF-24B Motorspatz (Germany)
Nelson Hummingbird (USA)
DG-Flugzeugbau DG 400
 and Schempp-Hirth Janus CM (Germany)
Franklin PS-2 (USA)

Schweizer SGU 1-19 (USA)
Grunau Baby IIb (Germany)
Zlin Z-24 Krajanek (Czechia)
Müchen Mü13d3 (Germany)
Hütter H 17 (Austria)

Göppingen Gö1 Wolf (Germany)
Schleicher Rhönbussard (Germany)
Göppingen Gö3 Minimoa (Germany)
Wolf Hirth Gö4 III (Germany)
DFS Habicht (Germany)

DFS Rhönsperber (Germany)
DFS Kranich II (Germany)
Slingsby T. 13 Petrel (Great Britain)
Slingsby T.6 Kirby Kite (Great Britain)
Slingsby T.15 Gull 3 (Great Britain)

Spalinger S 18 IIB (Switzerland)
Müller Moswey III (Switzerland)
Musger Mg 19 Steinadler (Austria)
Spyr V (Switzerland)
DFS Weihe (Germany)

Orlik II (Poland)
DFS Meise "Olympia" (Germany)
Nord 2000 (France)
Slingsby T.25 Gull 4 (Great Britain)
Schweizer SGS 2-8 (TG-2) (United States of America)

Laister-Kauffmann LK-10A (TG-4A) (USA)
Slingsby T.21B Sedbergh (Great Britain)
Slingsby T.31B Kirby Cadett TX Mk.III (Great Britain)
Pratt-Read G-1 (LNE-1) (USA)
Schweizer SGU 2-22 (USA)

Raab Doppelraab IV (Germany)
Scheibe Bergfalke II/55 (Germany)
Schleicher K 2b (Germany)
Schleicher Rhönlerche II (Germany)
Rubik R 11 Cimbora (Hungary)

Rubik R 26 Góbé(Hungary)
SZD-9 bis Bocian (Poland)
Orlican LF-109 Pionyr (Czech Republic)
Schweizer SGS 1-21 (United States of America)
Schweizer SGS 1-23H (United States of America)

Bréguet BR.901S (France)
Rubik R-22 Futar (Hungary
Schleicher Ka6CR (Germany)
SZD-32 Foka 5 (Poland)
Pfenninger/Markwalder/Elfe PM3 (Switzerland)

Neukom Elfe S4A (Switzerland)
Slingsby T.43 Skylark 3D (Great Britain)
SZD-30 Pirat (Poland)
Schleicher Ka 3 (Germany)
Schempp-Hirth SHK-1 (Germany)

Schreder HP 14 (United States of America)
Akaflieg Braunschweig SB 5B (Germany)
Bölkow-Akaflieg Stuttgart FS 24 Phönix T (Germany)
Bölkow Phoebus B (Germany)
Schleicher ASW 12 BV (Germany)

Schempp-Hirth Cirrus (Germany)
Pilatus B 4 (Switzerland)
Swift S 1 Swift(Poland)
Orlican LF-107 Lunak (Czech Republik)
Vogt Lo 100 Zwergreiher (Germany)

IAR IS-28 B2 Lark (Romania)
LET L 13 Blanik (Czech Republic)
Schleicher K 8B (Germany)
Schleicher K 7 (Germany)
Morelli M 100S (Italy-France)

CARMAM M-200 Foehn (France)
Glasflügel Standard Libelle (Germany)
Glasflügel Kestrel (Germany)
DG-Flugzeugbau DG 800
 and Schempp-Hirth Nimbus 4 DM (Germany)
Schleicher ASH 25 (Germany)

Schempp-Hirth Nimbus 3T (Germany)
Schleicher ASW 22 BLE (Germany)
Rolladen-Schneider LS 4a (Germany)
SZD-48 Standard Jantar 2 (Poland)
Schempp-Hirth Discus (Germany)

SZD-55 (Poland)
Schempp-Hirth Discus 2 (Germany)
Rolladen-Schneider LS 8 (Germany)
Rolladen-Schneider LS 6 (Germany)
Schempp-Hirth Ventus T (Germany)

Schleicher ASK 21 (Germany)
Grob G 103A Twin II Acro (Germany)
DG-Flugzeugbau DG 800B (Germany)
Schleicher ASH 26 (Germany)
Schempp-Hirth Janus CM (Germany)

DG-Flugzeugbau DG 500M (Germany)
Schemmpp-Hirth Duo Discus (Germany)
Caproni-Vizzola A 21 Calif (Italy)
Group Genesis Genesis 2 (United States of America)
Sportine Aviacija LAK-12 Lietuva (Lithuania)

SZD-56 Diana (Poland)
Molino PIK 20 (Finland)
Akaflieg Stuttgart fs 32 Aquila (Germany)
The grid (Soaring World)

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書評 「世界の滑空機」図鑑 Gliders around the World
  その全貌 (米田 洋)

ここにご紹介できる『Gliders around the World』こそ、私がグライダーに興味を抱いて以来、待ちに待った「図鑑」そのものです。この1冊を見るだけで、グライダーを理解できる気がします。

ある日、ふらりと立ち寄ったヨーロッパの空港の書籍売り場で、平凡社カラー新書の英語版『世界の軽飛行機』を見つけたことがあります。その後会ったイダ・フリークの若者もこの本を持っていて好きだと言っていました。もちろん私自身も、カラー新書シリーズの飛行機関係は確か高校生の頃にすべて買っていて穴があくほど眺めました。しかし瀬尾さんには失礼ながら、その場で本人から聞くまで、若き日の瀬尾さんがこの本の写真を担当されたとは知りませんでした。

私の飛行機好きは、いわゆる子供向けの「飛行機の図鑑」から始まったように思われます。写真は少なくフルカラーの絵が少々と、あとは色付きと言える程度の絵が主だったように記憶しています。しかし、そこに描かれていたがゆえに、特に有名でも無い機体なのに、いまだに覚えているのも多数あります。図鑑の力、絵や写真の持つ力が如何に大きく、人の記憶に刻まれるかがわかるような気がします。

大学のグライダー部で実機に接する以前からグライダーに興味があった私は、世の中のグライダーとはどんなものかを知りたくて図鑑など図書を漁りましたが、これがほとんど実りませんでした。書店には無いのです。航空雑誌にも載りません。朝日新聞社の『世界の翼』(航空写真年鑑)にもグライダーが載ることは極めて稀でした。唯一求めるものに近かったのが、最初に書いた『世界の軽飛行機』でした。モーターグライダーの写真が何枚かあったのです。この本を書店で見つけた時は、それはそれは嬉しかったことをおぼえています。

グライダーを始めたら始めたで、古い機体についても、最新の機体についても、もっと知りたくなりました。ま、まずは見たかったというのが正直なところですが。ソアリング誌や、セールプレーン・アンド・グライディング誌も、当時としては苦労して購読しましたが、全体像を見れるわけではありませんでした。洋書屋で見つけて狂気乱舞したジェーンの年鑑や、ソアリング誌のセールプレーン・ディレクトリも、情報源としてある程度私の欲求を満たしてはくれましたが、如何せん小さなモノクロ写真だけでは物足りない感じは否めませんでした。

そしてその状態は、驚くことに今の今まで続いているのです。つまり、誰も出版してくれなかったのです。

さて「図鑑」です。ここには黎明期から現代までのすべてが詰まっています。この点に関しては、インゴ・レナー氏の序文が、リアルに読者の心に響くでしょう。そして驚くことに、すべてが「飛んで」います。博物館の中や、地上に置いてあるものは一つも無いのです。飛ぶための道具が「飛んでいる」状態を見せる。そのことへのこだわりを感じます。

グライダーは、構造も目的もシンプルなので、それこそ星の数ほどの機種が作られてきました。たった1機しか作られず、特筆すべき性能も出せずに消えたもの。1機だけど、グライダーの発展に大きく寄与した機体。大量に生産され、皆が知っている機体。いろいろです。グライダーのように切磋琢磨して改良を重ねる歴史では、多くのライバル関係が生まれます。また同じ時代に遠く隔てられた国で似たような機体が作られていることもあります。この本では、主としてそのような「ペア」を選んで、同じ見開きに並べて紹介してくれています。「見開きの2ページ」という、本の持つ制約であり特徴である点を、どのような切り口で見せるのかという写真家・編集者ならではの視点でしょう。

また同時に、グライダースポーツそのものの紹介、歴史の紹介、タイプの紹介などなど複数の糸が、縦に横に斜めにうまく織り込められて一つの形になっています。この点が、単なる「総集」とは異なる、深みある味付けだと思います。おそらく、いつどこでどのページを開いても、ページを繰らなくても、そこにはドラマがあり、読者を楽しませてくれるのではないでしょうか。機体解説を、今世界中で最も適任と思われるピーター・ゼーリンガー氏が担当しておられるのも、この本の価値を高めていると思います。短いながらも事実に基づいた的確な紹介は、目の前の機体をグローバルな視点で正しく理解することを助けてくれています。

私自身の嬉しい気持ちのままに、思わず良いことばかり書いてしまいました。しかし、入魂の一冊を目指し、盛りだくさんのアイデアを詰めこもうと意気込んだがゆえに、徹しきれていない点、不満点もあります。

まず写真についてです。完全無欠の「図鑑」を目指すと、背景、構図や光の美しさよりも、機体全姿が一定のサイズ、スタンスで撮られ、その特徴を見てとれる角度が望ましく、順光であるとなおよい。これが一般的でしょう。絵でいえばボタニカル・アートですか。

その意味では本書の写真は、特徴ある部分を大写しにしていたり、壮大な背景の中に小さめに写っていたりするものも見受けられます。抽出された機体自体の全容より、その運用や環境を重視して見せようとしたものや、飛んでいることにこだわるがゆえか、やむなく逆光で撮影されたものもあります。「図鑑」というには、物語ろうとする意欲が前に出ているのでしょう。全くグライダーに造詣の無い人や、模型の資料として本書に接する人には、別のショットがよいかもしれないと思うところもあります。

次に機種の選定です。私自身個人的には、「なぜ、Ka6EやASK13が無いんだ?」とか、「日本の機体はどこに行った? 日本の本なんだが」とか、「ニンバス2、ASW20はどこへ行った?」などと思います。瀬尾さん愛好のツアリング型モーターグライダーも出てきません。

名機100選のように、選考委員が意見を戦わせて(でも現実的に選行委員の人選ができるかは多いに疑問ですが)機種を選んだわけではないでしょうが、機種選定基準には疑問も生まれます。あるべき大物が無い割には、超マイナーな機体があったりしてます。たぶん、瀬尾さんが長年追い求めていて念願の機体に出会い、嬉しくなってしまった結果なのでしょう。

また、撮影者自身が制作者でもあって、孤軍奮闘たったひとりの作業を続けている、その結果ともいえます。書籍に総ページ数の制約があることも理由と思われます。

機体解説について、これだけの機種をカバーして書ける人は世界的にも多くなく、ゼーリンガー氏はそのひとりであるのは疑いなく万人が認めることと思います。ですが、キャプションは時にビンテージ機愛好団体機関誌への投稿のような部分あり、図鑑としての徹し方が見られないものも出てきます。聞くところによると、国際共同作業の落とし穴とでも言いましょうか、意気投合して始めたものの僅かなベクトルのずれやお互いの思い込みなどもあって、翻訳時にかなり軌道修正されたものの、発行が大幅に遅れた原因になったようです。

本書全体の構成についても、単純に時代、生産国、あるいはクラス程度で並べ、諸元表や3面図もあわせて掲載するのが資料価値ある「図鑑」ではないか、との意見も出てきて当然と思います。そうなるともうマーチン・サイモンズの本のカラー版ですね。そこに100機を入れるとそれはそれは物凄い大冊になって、値段もそれなりに上がり一般性を失うかもしれません。私も、そんな本が欲しくないわけではないですが、正統的図鑑だけに存在意義があるわけでもありません。また航空写真家である瀬尾さんのフィールドからずれている気がしますし、彼が目指す本書刊行のコンセプトでもないように感じます。過去の紹介では図鑑ではなく、表題とは逆に「図鑑」とカッコ書きであるところにも意味があるのでしょう。要は、瀬尾央の撮る写真に、瀬尾央の出版する本に、何を期待するかでしょう。

全点ひとりの写真家による、世界各地における撮影、B5横とじの程よい大きさ、1ページ1機種1点、しかもページの8割を写真に使って写真に語らせ、凝った機体の並べ方にした「絵本」「写真集」。TPやカレンダーではではなし得なかった、写真家としての主張に満ち満ちた、まさに「瀬尾央ワールド」といえるのではないでしょうか。

この本は、おそらく、グライダー関係の蔵書の中で、最も手垢にまみれる本になることでしょう。何度見ても楽しく、子供から年寄りまで誰もが楽しめる1冊と思います。そしてこれを見た人が、一人でも多くこのスポーツに興味を持ち、理解してくれればと思います。

私としては、まずはここにこうして1冊にまとまったことに拍手したい気持ちです。不満や意見は、そのまま続編、続々編への期待としたいと思います。そう、本書も発行されていないうちから、もう、続編以降を私は期待しています。なにせ瀬尾さん自身ですら全体を掴みきれないくらいのフィルムがありますし、「もっと東欧機のコレクションを増やしたいし、いつ南米や中国、インドに行けるかな」と取材意欲満々なのも知っていますから。
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